Tone Partners(トーン・パートナー)紹介シリーズの次回は、ジェイソン・サディテス(Jason Sadites)さんです。
プロのギタリストとしての歩みや指導に対する関心、そしてToneNETで試奏・購入可能なTONEXコレクションをどのように制作するに至ったのか、ジェイソンさんにお話を伺いました。デモ音源やコレクションの購入はこちらから。
ジェイソン・サディテスさんの詳細はこちら:
- www.sadites.com
- www.youtube.com/@JasonSadites
- www.facebook.com/jasonsaditesmusic
- www.instagram.com/jasonsadites
IK Multimedia:TONEX Marketplace向けにいくつかのコレクションを作成されましたね。なぜこれらのアンプを選んだのですか?
ジェイソン・サディテス:最初のリリースにあたっては、多くのプレイヤーにとって幅広いサウンドをカバーできる、真にクラシックなアンプに焦点を当てたいと考えました。単一の音楽スタイルに限定されるのではなく、真にバラエティに富んだトーンを提供したいと思ったのです。
IK:さまざまなデジタルギター製品をお使いですが、TONEXのどのような点に魅力を感じましたか?
JS:自分が既に持っているコンピューターと、非常に手頃な価格のソフトウェアを使ってトーンモデルをキャプチャーできるというアイデアが気に入りました。実際にそのサウンドがどれほど素晴らしく、トーンモデルが元のアンプといかに正確であるかを聴いた瞬間、すっかり虜になりました。その後TONEX Pedalが登場したことで、ライブやリハーサルなどでそれらのトーンモデルを、信じられないような価格で活用できるようになったのです。

IK:TONEXでトーンを作り込む際のアプローチを教えてください。
JS:30年以上にわたるギターのレコーディングとミキシングの経験を活かし、プレイヤーが機材の中心に据えるのに最適な、素晴らしい出発点となるようなトーンを作り込むよう努めています。
IK:これから機材のキャプチャーを始める人へのアドバイスはありますか?
JS:素晴らしいマイクを手に入れることですね。高価なマイクである必要はありません。私はリボンマイクの大ファンで、その「自然な」フィーリングとレスポンスを愛用しています。とはいえ、SM57のような安価でシンプルなものでも素晴らしい結果が得られます。なぜ「得られる」と強調するかというと、マイクの配置が鍵だからです。多くの人が、目指すトーンのために完璧なマイクポジションを見つけることに十分な注意を払っていないように思います。
IK:現在取り組んでいる新しいコレクションはありますか?
JS:はい、あります。今後さらに多くのリリースを予定しています!
IK:話を最初に戻しましょう。いつギターを弾き始め、なぜギターを選んだのですか?
JS:1984年、10歳の時にギターを始めました。叔母が家に置いていったクラシックギターが何年も使われずに残っていたのです。教則本の『Book 1』もあり、父の勧めでその本の基礎から練習し始めました。そのまま続けて今日に至ります。
IK:初期に影響を受けたミュージシャンとその理由を教えてください。
JS:ギターを弾きたいという情熱に火をつけてくれた最初の音楽は、マイケル・ジャクソンのアルバム『スリラー』でのエディ・ヴァン・ヘイレンのソロでした。当時は彼が何を弾いているのか全く理解できませんでしたが、あのソロには心を揺さぶる何かがありました。
その直後、初めてギター雑誌を買いました。記憶が正しければ、アル・ディ・メオラが表紙の『Guitar Player』1985年2月号だったと思います。あの時代の雑誌には「サウンドページ」というレコードが付録についていたのを覚えている方も多いでしょう。そのサウンドページではアルがスケールの小節を弾いて見せていて、その速さとクリーンさに当時完全に圧倒されました。あのスケールのセグメントを練習してアルのスピードに追い付こうと、どれだけの時間を費やしたかわかりません。
IK:これまでで最高のライブと、最悪のライブは?
JS:長年演奏してきたので、特定のものを選ぶのは難しいですね。最も楽しく、かつやりがいがあったのは、『アメリカズ・ゴット・タレント』のファイナリストであるフェルナンド・ヴァレラという歌手のギターサポートを務めた時です。ショーの1週間前に譜面を受け取り、同期トラックに合わせてクリックを聴きながら演奏する必要がありました。本番当日の午後1時にメンバーと初めて顔を合わせ、4時頃までリハーサルし、7時半が開演時間でした。その夜で最も難しかったのは、会ってから6時間しか経っていないメンバーと、『ボヘミアン・ラプソディ』を完ぺきなクリックトラックに合わせて演奏することでした。結果はトラブルもなく大成功で、最高の体験でした。
最悪のライブに関しては、特に思い当たるものがないので、それはそれで幸せなことかもしれません。
IK:人生の中で、音楽をプロとして追求しようと意識的に決断した瞬間はありましたか?
JS:レコードや機材への依存症を支えるために、16歳からギターを教え始めました。それが忙しくなり、その後も長年、常に60〜70人の生徒を抱える状態で教え続けました。若いうちから教えることを始めたおかげで、音楽で生計を立てることは十分に可能だと実感し、教育だけでなく、ライブ、セッション、プロデュース、作曲などへと活動の幅を広げることができました。
IK:ギターを始めたばかりのプレイヤーに一つアドバイスをお願いします。
JS:トーンの作り方についてのビデオをたくさん作っている男が言うのも変かもしれませんが、上達するためのチケットとして、際限のない機材探しの旅に執着しないでほしいと伝えたいです。今はありとあらゆる機材が手に入るため、実際に演奏してスキルを向上させることよりも、機材を探したり試したりすることに時間を費やしがちです。夢のない答えに聞こえるかもしれませんが、それが真実だと思っています。
IK:所有しているギターの中からお気に入りを3本選ぶとしたら?その理由は?
JS:私はVigier Guitarsのエンドーサーを務めており、幸運にも彼らの素晴らしい楽器を複数所有しています。それらは私が弾いてきた中で最高の楽器です。ストラトスタイルの「Vigier Expert」は絶対にお気に入りです。それから「Vigier G.V. Wood Hollow」も大好きです。また、弾いていてこの上なく幸せな、本当に美しいCollingsのOM2Hアコースティックも持っています。かなり大規模なコレクションの中から絞り込むとしたらこの3本ですが、その日の気分によってこの回答を変える権利は保持させてくださいね。
IK:無人島に持っていく機材は?(アンプ1台、キャビネット1台、ギター1本、ペダル3つに限定)
JS:なんて残酷な質問ですか(笑)。よし、アンプはオリジナルのBudda Superdrive SD30(シリーズ1)で、Budda Phatスピーカーを搭載した専用キャビネットにします。私の親友で素晴らしいアンプ技術者であるジェフ・ボーバーがBuddaアンプの設計者なのですが、あれは史上最高のアンプの一つだと断言できます。ギターはVigier Expertにします。ペダルは、IK MultimediaのX-TIME、X-SPACE、X-VIBEを選びます。これがあれば、必要なエフェクトはほぼ全てカバーできますね。
IK:ギターアンプに何を求めますか?
JS:先ほど挙げたBudda Superdrive 30のように、多用途性は非常に重要です。美しいチャイミーなクリーンから、ブレイクアップ寸前のエッジの効いた音、そして豪華でヘビーなトーンまでこなせますから。とはいえ、どんな状況でも完璧にこなせる単一のアンプは存在しません。だからこそ、先ほどのような「アンプは1台だけ」という残酷な質問に戻ってしまうわけです(笑)。真面目な話をすると、1台しか選べないなら、可能な限り幅広いトーンをカバーできるものを選びますが、本音を言えば、さまざまな「味」を持つアンプを揃えておきたいですね。
IK:機材はどれくらい重要ですか?
JS:もちろんある程度は重要ですが、今は選択肢が多すぎて、プレイヤーが演奏して上達することよりも、機材探しに時間を浪費してしまうほどの圧倒的な情報量があるように感じます。頭の中の「機材モード」をオフにして、目の前の楽器を手に取り、それを活かすことに集中することが大切です。もちろん、目的とするサウンドに最低限必要な機材は必要ですが、それが揃ったら機材のことを考えるのはやめて、とにかく演奏することですね。
IK:YouTubeチャンネルには1,000本以上の動画があります。YouTubeを始めたきっかけは何でしたか?
JS:不思議なことに、今のようになるとは思ってもいませんでした。最初は、自分が大好きなギターソロのカバー動画を投稿して、非常に難しいソロを素早く習得して披露するという自分への挑戦として始めました。そのカバー動画が注目され始め、動画で使っているトーンの作り方についての質問を多く受けるようになったのです。それが、トーン作りに関する動画を投稿し始めるきっかけとなりました。
IK:チャンネルでは機材の解説動画も多いですが、機材への情熱や、テクノロジーの使い方を人々に伝えようという意欲はどこから来ているのですか?
JS:先述の通り、視聴者からの質問があまりにも多かったからです。最初はこのような解説動画に対する需要がどれほどあるのか気づいていませんでしたが、長年にわたり何千人もの人々と接する中で、確かに需要があることが分かりました。特定の動画が問題を解決したり、機材を使いこなす助けになったと伝えてくれる人がいることは、本当に素晴らしい気持ちにさせてくれます。
なぜ自分がこれほど機材の探求に情熱を持っているのか正確にはわかりませんが、幼い頃から大好きなことでした。父が幼い頃に最初の4トラックレコーダーを買ってくれたことが、レコーディングの芸術やトーン作りの道を学ぶきっかけになりました。
IK:YouTube以外では、現在どのような音楽プロジェクトに関わっていますか?
JS:現在までに、インストゥルメンタル・ギター・アルバムを7枚リリースしています。これらのアルバムでは、マルコ・ミネマン、トニー・レヴィン、ブライアン・ベラー、グレッグ&マット・ビソネット、ケニー・アロノフ、リック・フィエブラッチといった方々と共演する恵まれた機会を得ました。彼らの多くは良き友人となり、今後も一緒に仕事をしたいと思っています。とはいえ、次のソロ・アルバムに向けて作曲を始めたいのですが、最近は他の活動との兼ね合いで時間を見つけるのが大変です。いつになるかはわかりませんが、必ず実現します。それ以外では、定期的にセッションやライブ活動も行っています。
IK:ギター機材の未来をどう予測しますか?
JS:逃げ口上に聞こえるかもしれませんが、あまり深く考えないようにしています。私は今ある機材を使って音楽を作ることを楽しんでいますし、機材はあくまで音楽を作るためのツールであるということを忘れないようにしています。その上で、素晴らしい新しい機材が登場し、最高の音楽を作るという最終目標に役立つのであれば、素直に興奮しますね。





